PlaneMaker でUS-2飛行艇をつくる
Xplane11のアドオンPlaneMakerでUS-2飛行艇をつってみました。
フライトシュミレーターとしてP3D、Xplaneなどがよく知られていますが、Xplaneには航空機が作れる機能(PlaneMaker)がその中にすでに用意されています。PlaneMaker使ってUS-2飛行艇を作ってみました。
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Xplane の PlaneMaker でUS-2飛行艇をつくる
フライトシュミレーターとしてP3D、Xplaneなどがよく知られていますが、Xplaneには航空機が作れるアドオン(PlaneMaker)がその中にすでに用意されています。アイコンをクリックすると起動し、画面がでてきます。今回はそれを使ってUS-2飛行艇を作ってみました。
最初に用意するもの
Xplane11サイトよりダウンロード
(8,000円ぐらいですからそう高くはないと思います)
※2023年8月現在、Xplane12がリリースされていますのでそちらを購入してもいいでしょう。今のところXplane11のPlaneMakerの方が使いやすいです。
出来るだけ費用をかけないように無料の
Blender(3D作成ソフト)
私はバージョン2.79を使っています
GIMP(画像作成ソフト・無料
古いバージョン2.80がカラーのUIで使いやすと思います。
それとXplaneを動かすためにビデオカードのついているそこそこの性能のパソコンは要ります。
あとは時間と努力?
手順 1 PlaneMakerでまず胴体、翼(主翼、水平尾翼、垂直尾翼)ギアなどを作る
PlaneMakerマニュアル(https://developer.x-plane.com/manuals/planemaker/)を参考にしましょう。
Xplane11のフォルダのなかのアイコンをクリックしてPlaneMakerを開きます。
新規作成をクリックして作成開始です。
「機体」、「翼」を作ります。「標準」のauthor, 視点、システム、重心等の設定は、作ろうとするものに近い航空機のものをとりあえずそのまま参考に入れましょう。後から設定し直せばいいと思います。
作業後PlaneMakerを閉じるとオリジナルの「航空機.acf」がXplane11フォルダにできるので「US-2フォルダ」を新規作成してファイル名を変更してそれに移動します。
「US-2フォルダ」をXplane11のaircraftのなかの/extra aircraftフォルダ/に移動します。(最初からそこにフォルダを新規作成でもよいでしょう)
Xplane11/aircraft/extra aircraft/US-2/US-2.acf となります。
これでまずPlaneMakerで作成作業を再開する準備できました。
手順2 Blenderでオブジェクトを作成する
事前の準備
1.作成するにUS-2フォルダ/にobjectフォルダを新規作成しておきます。
(Xplane11/aircraft/extraaircraft/US-2/object/となる)そちらに作成したオブジェクトをエクスポートしていきます。
2. Blenderに「Xplane2blender」をダウンロードしてBlenderのアドオンに入れておく必要があります。
参考サイトはhttps://github.com/X-Plane/XPlane2Blenderなど。
Blenderのファイル→ユーザー設定→アドオン画面からファイルを指定してインストール→export Xpane(obj) にチェックを入れる→ユーザー設定の保存。これを入れないとオブジェクトをXplaneにエクスポートできませんので必須です。
US-2の資料を参考にしてできるだけ詳細にモデリングをしていきます。
Blenderで胴体などのオブジェクトを作っていきます。(Blenderの使い方はウェブサイトたくさんありますのでそれらを参考にしながら作っていきましょう (Blenderをはじめて使う方は慣れるまでたいへんですが)
Blenderでキャビン、コクピット( 計器パネル、操縦桿、ラダーペダル、シート)などを作成していきます。
同じくBlenderでギアも作りますがギアはアニメーションで動くようにしますので「手順6ギアを作る」で詳しく説明しています。
オブジェクトができたら未完成でもとりあえずPlaneMakerにエクスポートしてみましょう。
Blenderのファイル→エクスポート→Xplane object(obj)
でクリックしてエクスポート先を選択してクリック。
PlaneMakerを起動して、その他のオブジェクトウィンドウの追加ボタンでUS-2bodyを表示させます。
オブジェクトの位置を調整します。コクピットやシートなどの機内のものは胴体オブジェクトよりも上の方に△ボタンで移動させていおくといいでしょう。
ここではまだテキスチャを貼っていないので色はグレーのままです。
手順3 GIMPでテクスチャーを作成する
GIMPでUS-2飛行艇のテクスチャーを作っていきます。
GIMPの使い方はウェブサイトがたくさんありますのでそれらを参考にしながら作っていきましょう。今回はボディとキャビン、コクピットの2つのpng画像を作成します。
※画像サイズは2の乗数で2048×2048ピクセルで作ります。1つのpngファイルにまとめても問題ありませんが画像が粗くなるのでUS-2body.pngとUS-2cabin.pngに分けました。
GIMPでボディの画像を作成し、png形式でデスクトップにエクスポートします。(パスが通ればどこに置いてもいいと思います)
blenderの画面を2分割して片方をUV画像エディター画面にし、3D画面で編集モード→オブジェクトを選択→キーボードの「U」キーを押してUVマッピングウィンドウの視点から投影(マッピング)を選択。
UV画像エディター画面でファイルを選択指定→ポリゴン面を画像に合わせてPlaneMakerにエクスポートします。
キャビンのテクスチャーも作り、同様にBlenderで貼り付けます。
紐付けしたpng画像を同じ/objectフォルダ/にコピーまたは移動するとPlaneMakerの機体に色が表示されます。
手順その4 3Dコクピットを作成する
最後にPlaneMakerにエクスポートします。
3Dコクピット作成の準備として
Xplane11>Resorces>bitmap内のcockpitフォルダを
Xplane11/aircraft/US-2のフォルダにコピーしておきます。(US-2のフォルダ内にcockpitフォルダを作ります)
そして、その中のcockpit>-PANELS-の中にあるpng画像の「panel_genaral」を残して他は削除します。
デフォルトのpng画像のファイル名を「panel_general」→「panel」に変更をしておきます。
次にBlenderでコクピットのオブジェクトを作ります。このオブジェクトはこの後PlaneMakerにエクスポートするものです
GIMPでオリジナルの計器パネルのpng画像を作って貼り付けます。
まずは作業しやすいようにパネル面だけにしましょう。
事前に作ったコクピットのオブジェクトの計器パネル部分だけを選択して複製後Pキーで分離します。
その立体の計器パネルオブジェクトの計器面だけを選択し複製してそれだけを残してあとは削除。
そのBlenderファイルをUS-2_cockpit.blendとして(適当な別名でもよい)として別blenderファイルとして保存しておきます。
BlenderのUV画像エディター画面で機体のマッピングと同様に計器パネルにをXplane11/aircraft/aircraft/US-2>cockpit>-panels-の中にあるpanel.png画像 を貼り付けます。
US-2_cockpit画像のUV画像を(デスクトップにでも)エクスポートします。そしてGIMPでそれを取り込んで下書きにしてそれに色付けすれば同じ形の計器画像ができ上がります。
後からGIMPを使って詳細なリアルなものに修正していけばよいのでとりあえず作成。
デフォルトのpanel.pngをGIMPで開きオジナルのパネル画像をpanel.png画像に上書きして置き換えてエクスポートします。
※ コピーペーストではなく上書きしないとルートが通りません。画像サイズを変更したければそのGIMP上で行います(1024×1024 →2048×2048)
PlaneMakerを起動して確認。するとオリジナル航空機の2Dパネルと3Dパネルにデフォルトのパネルが切り替わっているはずです。
3Dコクピットの作成
基本的にはコクピットのオブジェクトにXplane11>aircraft>US-2>cockpit>-panels->panel(オリジナルパネルpng画像)をBlenderで機体のカラーリングと同様に張り付ければいいのですが次の注意点があります。
注意点その1
Blenderのマテリアルプロパティでレイトレースとフルオーバーにチェックを入れ、その下の方のpart of cockpit panel にもチェック入れます。
シーンのプロパティでレイヤー1を開きエクスポートするオブジェクトの名前を「航空機_cockpit」にしてオブジェクトフォルダ(US-2>object)にエキスポートします。
注意点その2
PlaneMakerを開き「その他のオブジェクト画面」で「オリジナル航空機名_cockpit.obj」を追加しとき
「int cockpit」 と 「ext cockpit」にチェックを入れます。
Blenderで計器パネルpng画像を貼り付けたコクピットobjをXplane11>aircraft>US-11>objectsにエクスポートして
PlaneMakerで位置を調整して保存。Xpleneのゲームで反映されているか確認しましょう。
3Dコクピットが出来上がりましたら、パネル画像をリアルに塗り替え、計器も配置していきましょう。
3Dビュー画面での選択面がUVエディター画面のパネル画像pngに一致するようにBlenderでエクスポートします。
手順5 操縦桿、ペダルがアニメーションで動くようにする
detarefを関連付けてヨークやペダルが動くようにします。
Blenderでヨークやペダルを作りBlenderのアーマチュア機能でアニメーション動作するようにします。テキスチャの貼り付けは後からでもよいでしょう。
アニメーション(ボーンをいれてXplaneのdatarefを関連付ける)は「手順6ギアを作る」に詳しく解説していますのでギアから作った方が基本的なことが分かっていいかもしれません。
Blenderのオブジェクトモードで動かしたいオブジェクトに追加→アーマチュア→単一ボーンを入れます。
Xplane11のアドオンdataref EditorをXplane11に入れておくとどのdetarefを関連付ければいいかわかりやすでしょう。
タイムラインエディターで開始1終わり2にしてそれぞれにポーズを設定します。ボーンのプロパティでタイムラインの1と2にXplane11のdaterefを関連付けます。
※注意点として自動のウェイトではなくボーンでペアリングすることです。
うまく動作させるポイントはオブジェクトとボーンそれぞれの原点を同じにすることです。
手順6 ギアをつくる
今まではPlaneMakerのギアを使っていましたが、これからBlenderでギア(着陸装置)を作っていきます。ギアは手間がかかりますが複数の動きでよりリアルになります。
Blenderで「タイヤ」→「ショックアブソーバ」→「下向きボーン」→「ステアリング」→「メインステー」 の順にボーンとオブジェクトを並行しながら作るとスムーズに出来上がると思います。(後からの調整はポーズの設定で位置変わるので難しくなります。)
ギアの作り方は訂正も兼ねて動画にしていますのでこちらhttps://www.youtube.com/watch?v=jZ4ud0CsPmo&t=1sを参考にしてください。
タイヤの回転のアニメーションを設定します
まずBlenderでタイヤのオブジェクトを作るところから始めましょう。
タイヤのオブジェクトが作成できたらタイヤにボーンをいれます。(Blenderのオブジェクトモードで追加ボタン→アマチュア→単一ボーン)タイヤとボーンの原点を一致させて、ボーンを90°Y軸回転で横向きにします。
IK設定の方法はポーズを決めたいボーンを選択し、ポーズモードにしてキーボードの「i」キーを押す→IKウィンドウ→回転を選択します。最初にタイムラインのK F 0(キーフレーム0)でIKの回転をIK設定しておいて、KF1(キーフレーム1) IK→「回転」でそのまま再度設定し、KF2にしてX軸180°回転させてIK→「回転」で3度目の設定をします。
Blenderの右のプロパティウィンドウの下の方にある「add dataref」ボタンを押す。
dataref pass」ボタンの右にある虫めがねボタンをおしてXplaneの車輪回転のdatarefを選択します。
「sim/flightmodel/parts/tire_prop_rot」の最後に[0]を追加しておきます。
(前輪は最後に[0]、右主輪は[1]、左主輪は[2]になります)
値はK F1で-180° K F2で180° で鍵のボタンを押して確定させます。
PlaneMakerで確認してみましょう動いているはずです。
ショックアブソーバの上下の動きのアニメーションを設定します。
次にタイヤのボーンの原点から2つのボーンを追加して、1つはそのまま上向きでショックアブソーバのボーンにします。もう1つはX軸180°回転で真下に向けておきます。
上下に動いて衝撃を緩衝するパーツですからKF1でそのままIK「位置・回転」で設定し、KF2でZ軸で上に少し移動(0.3m分ぐらいでいいでしょう)させてI「位置・回転」で設定します。
こちらのXplaneのDetaRefは sim/flightmodel/parts/tire_vrt_def_veh[0](前輪)
真下方向のボーンはDetaRefは設定しません。
次にそれぞれのボーンが連動するようにします。
これらの3つのボーンをオブジェクトモードでジョイント(ctrl+J)させます。次にそれぞれのボーンの編集モードで親子関係を設定します(プロパティの親子関係のところで親になるボーンをクリック選択)。
タイヤボーン(子)→ 下向きボーン(親)
下向きボーン(子)→ ショックアブソーバボーン(親) の関係にします。これでショックアブソーバが動くと連動してタイヤもいっしょに動きます。
ショックアブソーバのオブジェクトも作成し、タイヤオブジェクトとタイヤボーンをペアリングします。同様にショックアブソーバオブジェクトとショックアブソーバボーンもペアリングします。
よりリアルにするためヒンジも作りましょう。 DetaRefはショックアブソーバのDetaRefと同じにしてK F1、K F2でポーズを決めればいいでしょう。(やり直すときのためにK F 0で最初のポーズを作っておいた方がポーズを修復しやすいです)
次にステアリングのボーンをショックアブソーバボーンの先端から編集モード+Eキーで追加します。
ステアリングボーン(親)がショックアブソーバボーン(子)の関係になるように親子関係を設定します。
ステアリングボーンのキーフレーム1で-45°Z軸で回転(ステアリングを左にきる状態に)させてIK「位置・回転・拡縮」で設定、2でZ軸に90°回転させ(右に45°きった状態に)させてIK「位置・回転・拡縮」で設定します。
ステアリングのDetaRefは sim/flightmodel/parts/tire_steer_act[0] 値はKF1=-45°KF2=45°
このボーンにはオブジェクトはいりません。
次にメインステー(ギアの昇降機能)のボーンを追加してステアリングボーンを子、こちらのボーンを親にします。そしてメインステーのオブジェクトを作成してペアリングします。
KF1にしてX軸回転させてギアがあがった状態にしておきます。
ギアの扉をあとから追加しますのでとりあえずこの状態で保存しておきましょう。
メインギアを作る
同じ要領でリアのギアも作りましょう。リアはステアリング機能は要りませんのでフロントギアより作業は少ないですが左右にギアがありますので複製する作業が必要になります。
フロントのギアカバーを作る
ギアの扉とギアの昇降のタイミングはキーフレームを1~6を使ってあわせます。
ギアの昇降と扉の開閉をKFの1と2でDetaRefを設定すると開く途中からギアがでてきますのでタイミングを調整します。KFは1から6まで使います。 DetaRefは sim/flightmodel2/gear/deploy_ratio[0] (flightmodel2に注意)
KFと値は次のように設定します。
KF1 扉 閉じている状態でIK設定 DetaRef値 0 (ギアは設定しない)
KF2 扉 閉じている状態でIK設定 DetaRef値 0.2 (ギアは設定しない)
KF3 扉 開いている状態でIK設定 DetaRef値 1 (ギアは設定しない)
KF4 ギア 上がってている状態でIK設定 DetaRef値 0 (扉は設定しない)
KF5 ギア 上がってている状態でIK設定 DetaRef値 0.2 (扉は設定しない)
KF6 ギア 降りている状態でIK設定 DetaRef値 1 (扉は設定しない)
blenderですべてのパーツにテキスチャを張り付けてXplaneにエキスポートしてフロントギアの完成です。
エキスポートはこまめに各工程ごとにしたほうがスムーズにいきます。
フラップ、エルロン、ラダーなどの作り方はこちらの動画https://www.youtube.com/watch?v=pum3tZQe4pU&t=94sを参考にしてください。
これでほとんど出来上がりました。
あとは細かい部品を付け足したり、コクピットを 精密にしたり、PlaneMakerの設定を変更などして手を加え、よりリアルにしていきましょう。
Youtube動画 https://www.youtube.com/watch?v=PA0-Xo3kvAg